字幕翻訳勉強法 写経、さらに進んでハコ書き作りもお薦め
字幕翻訳の勉強法として有名なのが「写経」です。
字幕翻訳勉強法の写経って?
写経とは、映像を一時停止しながらプロの作った翻訳を1枚1枚書き写していくというもの。
「写経」と称されることから手書きしないといけないと思われがちですが、PC上で作業しても全く問題なし。
というか、データで納品することを考えたら、PCで作業したほうが勝手が分かりやすいのではないかな、と思います。
日本語の表現だけでなく、文字数、表記、改行位置などを意識しながら写経の作業をすると、勉強になることが多いと思います。
ハコ書き完コピもお薦め
さらに私がお薦めするのは、スクリプトを入手して、プロの字幕を見ながらハコ書きすること。
スクリプトはネット上で入手できることもありますし、対訳本が出版されていることもあります。
(新人の映像翻訳者なら、チェックや特典映像の翻訳で関わった本編のスクリプトを入手できるので、それを利用できます。)
SSTを持っていない方なら紙でハコ書き、SST所有者なら実際にSST上でスポッティングを取ってみる。
どうカット変わりを処理しているか、
どの台詞をOUTにしているか、
というのを意識して作業するといいと思います。
なぜこの2点を挙げたかというと、特に新人のうちは
カット変わりがしっかり切れていなかったり、
何でもかんでも訳を付けてしまう、
ということが多いからです。
勉強にお薦めの映画
勉強に使う作品は、もちろん自分が好きな作品やジャンルがいいと思います。
特に台詞が多いものはやりがいがありますよ~。
私がさすがと思ったのは、松浦美奈さん訳の「ソーシャル・ネットワーク」。
オープニングから早口の掛け合いが始まり、とにかく台詞が多い!
マーク・ザッカーバーグ役のジェシー・アイゼンバーグの演技もいいけど、
個人的に好きなのはアンドリュー・ガーフィールドとラシダ・ジョーンズ。
また、好きな方にはラブコメもお薦めです。
オシャレな台詞も多いし、内容自体はそれほど難しくないので取っつきやすいと思います。
戸田奈津子さん訳の「ユー・ガット・メール」。
主演2人の掛け合いがいいし、脚本も最高!
細川直子さん訳の「フォー・ウェディング」。
この作品は私が好きなだけですが、他にもリチャード・カーティスの脚本はステキな台詞が多いし、全体的に面白いものが多いです。
写経の時はDVDやブルーレイを使用
あと注意点ですが、勉強に使う字幕はネット配信ではなくDVDやブルーレイを買うかレンタルして使うようにしてくださいね。
同じ作品でも、ネット配信や放送版は違う翻訳者が字幕を付けている可能性が高いからです。
新人や、私のような脱新人の若輩者かもしれません(笑)。
やはりせっかく勉強するなら、大御所の字幕を参考にしたほうが断然にいいです。
好きな作品で楽しみながら進めていくのが、勉強が長続きする秘訣だと思います。