翻訳者になりたい人にお薦めの本5選
昨年、「映像翻訳について知りたい人にお薦めの本5選」という記事を書きましたが、映像に特化せずとも有用な本がいくつもありますので、最近読んだものから昔なじみのものまで、5冊ご紹介したいと思います。
1、翻訳というおしごと
文章も読みやすく、実務・出版・映像と各分野についてうまくまとめられていますので、これから翻訳者を目指す方には入門編として読んでいただきたい本。
育児との両立の大変さや、「撤退も視野に入れる」ことなど、キラキラしたことばかり書かれているわけではないので、すでに独立している一翻訳者としても強く共感できる部分が多かったです。
2、翻訳家になろう!
著者は映像翻訳にも造詣が深いようで、字幕制作の歴史や翻訳者さんとの対談などなかなかリアルなことが書かれています。
戯曲翻訳についても、興味深く読ませていただきました。
著者は、次に紹介する故山岡洋一氏とも親しかったようです。
3、翻訳とは何か―職業としての翻訳
以前も取り上げたことのある山岡洋一氏の著書。
著者の翻訳に対する並々ならぬ熱意を感じます。
特に最終章の「職業としての翻訳」は、畑違いの映像翻訳者にとっても手本とすべきことが書いてあり、定期的に読み返す価値があると思っています。
4、語学で身を立てる
「身を立てる」なんてそれほど深く考えずに映像翻訳業界に入った私にとっては、身につまされる内容。
これから語学を学ぶ人や翻訳者・通訳者を目指す人に読んでいただきたい本です。
5、翻訳夜話
翻訳者を目指そうと思っていた頃に読んだ本。
なぜ人気作家の村上春樹氏が翻訳をするのか、についての答えや彼の翻訳に対する思い入れが伝わってきます。
翻訳者や翻訳者志望の方にはおなじみの本だと思いますが、ご存じない若い方に向けてあえて紹介させていただきました。
どの本も普通の読み物としてもとても面白いので、少しでも翻訳に興味がある方に読んでいただきたいと思います。