無痛分娩に思うこと 私の体験
最近、無痛分娩による医療事故で死亡したり障害を負ったりした母子のことが頻繁に報道されています。痛ましい事故ではありますが、無痛分娩に対する悪いイメージが広がるのではないかと懸念しています。
私自身は第2子の出産で無痛分娩を経験したのですが、全く後悔していませんし多くの人に薦めたいと思っています。
もう4年前のことになりますが、自分の体験を記録しておこうと思います。
第1子の時は、全く選択肢になかった
通っていた産院は無痛分娩を扱っていませんでしたし、自分も全く知識がなかったので、第1子(娘)は自然分娩で産みました。
4時間ほどで生まれてくれて超安産だったのですが、必死で訳が分からないうちに生まれたという感じでした。
娘が保育園に入る前に行っていた児童館で、他のママさんから「両親も遠くに住んでるし、2人目産む時は計画で無痛分娩がいいな」と聞きました。
ホントに無知なのですが、「計画で無痛分娩?」なんて頭にもなかったので、目から鱗でした。
引っ越し後、第2子を妊娠。児童館のママさんの言葉を思い出した。
第2子を妊娠して、一番に考えたのは娘のことです
夫と私の家族は遠方に住んでいるため、もしお迎えの時間近くに陣痛が来て、夫もすぐに迎えに行けなかったとしたら、娘はどうなるの?
予定日近くに実母に滞在してもらう手もありますが、産後もサポートを頼むので、産前から滞在してもらうのは、母にも夫にもストレスが大きいでしょう。
(しかも娘の時は予定日の2週間前に生まれたので、かなり早めに生まれる可能性大。)
そういうわけで無痛分娩の知識を深めて、信用できそうな産院を見つけました。
出産日を決める
通っていた産院は麻酔医が常駐しているわけではないので、出産できる日が指定されています。
私の場合は赤ちゃんが巨大だったので、予定日のちょうど3週間前に産むことに決まりました。
入院
出産予定日前日の午後に、一人で入院バッグを持って電車とバスを乗り継ぎ入院しました。
駅前でランチを食べる余裕もありました(笑)。
子宮口が開いてない場合、前処置でバルーンを入れたりするようですが、私の場合はすでに指1本分ぐらい開いているとのことだったので、前処置はありませんでした。
この前処置がものすごく痛いと聞いていたので、ホッとしました。。。
前夜から絶食、水も飲めません。(これが、つらかった~。)
出産当日
確か朝8~9時くらいに硬膜外麻酔の処置をしたと思います。
これがものすごく痛いという話もありますが、私はそれほど痛く感じませんでした。
何かこの時に血圧が下がりすぎて、血の気が抜けていってアラームが鳴ったのを覚えています。(麻酔医が「ごめんごめん」と笑っていた。。。お~い!)
その後は陣痛誘発剤を点滴。
陣痛が耐えられないくらいの痛みになったら、麻酔を入れるの繰り返しです。
私は結構我慢できるほうなので、そこそこの痛みも味わいました。
子宮口3センチくらいからなかなか進みませんでしたが、お昼頃に急に激痛が走って、
「あの~、麻酔お願いします。」
と頼むと、
「さっき入れたばっかでしょ。」
と助産師さん。念のため子宮口を確認すると、
「わっ、全開だ。」
という感じで、経産婦なので一度開き始めると早かったみたいです。
その後もなかなか赤ちゃんが下りてこなくて予想以上に時間がかかりましたが、それほどの痛みもなく余裕。
最後にいきむ時は、痛みよりもものすごい圧迫感で、赤ちゃんが下りてきてぬるっと出てくるのが分かりました。
1人目の時はギャーギャー叫びのた打ち回っていましたが、それに比べるとかなり冷静だったのを覚えています。
無事3100gの赤ちゃんが生まれた時は、もう夕方近くになっていました。
37週0日で、驚異の3100g超えです!
会陰は切開しましたが、裂けはしなかったので、回復が早かったです。
(経産婦は、それより後陣痛がつらい!)
産後の回復も早く、無痛分娩にして悪かったことは1つもありませんでした。
まとめ
今回は「無痛分娩事故」と大きく報道されていますが、無痛分娩自体が悪いわけではなく、専門の麻酔医がいなかったから起きた事故であることを多くに人に認識してもらいたいと思います。
また「無痛」と言っても、無痛分娩には痛みが伴いますし、どんな出産方法でもお産が命がけであることは変わりありません。
無痛に限らず、帝王切開でさえ非難を受けることがありますね。
帝王切開は、自然分娩よりずっと産後の回復に時間がかかり大変なのに、「楽をして」なんてよく言える人がいるな~と思います。
「寝ぼけたことを言う前に、あなたも一度お腹を切ってみたら?」と言いたい!
「無痛はリスクが高い」
「楽して産もうとしたから罰が当たった」
というようないい加減なコメントを見かけることもあり、胸が張り裂けそうな思いです。
また子供も大きくなってくると、
「うちの子は無痛分娩で生まれたの」
なんて他人様に披露する機会もありませんから(笑)、妊婦さんには堂々と自分の産みたい方法を選択してほしいと思います。
現在無痛分娩を検討している妊婦さんやご家族の方。
どうか麻酔医の処置の下で分娩できる産院を選択し、安心して出産に臨めますことを祈っています。