映像翻訳者にネイティブスピーカーの友人がいないと不利!?
映像翻訳者の中には、配偶者やパートナーがネイティブスピーカーだという方も少なくありません。
ネイティブスピーカーの友人がいない私にとってはうらやましい限り!
確かに、意味がつかみにくい原文について気軽に聞くことができるネイティブの友人がいたら便利かもしれません。
クライアントから「ネイティブの友人はいますか」の謎の質問
私は今までに一度だけ、クライアントから
「分からないことが出てきた時に質問できるネイティブスピーカーの友人がいるか」
と聞かれたことがあります。
「変なこと聞くなあ」と思いましたが(笑)、そのようなことを気にするクライアントもいるわけです。
ちなみに「いません」と答えましたが、無事に仕事は受注できました!
「ネイティブに確認した」と言っても・・・
確かに制作会社時代に、「ネイティブに確認したところ…」と申し送りに入れてくれる翻訳者さんもいました。
ただ私としては、どう確認したのか気になるところ。
原文の一部を見せたのか、
映像の一部を見せたのか、
それとも作品全部を見てもらったのか。
大体の場合、「原文の一部」ということが多いと思います。
納品までの期間が短い映像翻訳の場合、まず同居しているパートナーなどじゃない限り、映像まで見せられませんよね。
また、仮に映像の一部を見たとしても、ストーリー全体を把握していないと
映像翻訳や出版翻訳の場合は解釈を取り違えてしまうことが多々あるでしょう。
実際、「ネイティブに確認しました」という個所でも
「これ違うぞ…」というものを見てきましたからね
秘密保持契約の存在
さらに、最近ではクライアントと秘密保持契約を結ぶことも多くなってきました。
映像を見せること自体が契約違反になりかねません。
このようなことを踏まえると、パートナーレベルの信用できる人物じゃない限り、ネイティブの友人に意見を仰ぐのはやめておいたほう無難ではないかと思います。
「ネイティブに確認」は翻訳者の作業じゃない
そもそも「ネイティブに確認」は翻訳者に求められている作業ではないと思います。
冒頭にクライアントから質問されたことを書きましたが、
ネイティブに確認したいなら、チェッカーをつけてください
って話です。
そこまで翻訳者に求めるのは間違っています。
ただ最近では、制作会社、翻訳会社にもネイティブのスタッフがいるという会社も増えてきました。
「何かあったら、こちらでネイティブに確認します」と言っていただけると、翻訳者としてはありがたい限りです。
まとめ
映像翻訳者にとっては、ネイティブスピーカーの友人がいないと不利ということはないと思います。
私も今まで、ネイティブの友人なしでやってきましたからね。
文法やニュアンスなどについては、
WordReference.com
のフォーラムのような場でネイティブに質問することも可能です。
私も今まで2~3回質問を投稿したことがありますが、
返事も早いし、いろんな国の方から回答をいただけるので参考になりました。
質問する時には、作品が特定されるような台詞の抜粋はしないようお気をつけください。