フリーランス映像翻訳者が廃業を考える時
フリーランスのあなた、一度は廃業について考えたことありますよね!?
ぶっちゃけ私は年に2回ぐらいは考えますが、そうこうしているうちに10年以上たってしまいました。
そんな私が、今までに廃業を考えた瞬間と、どう乗り切ってきたかをまとめてみました。
1、自分の実力不足を痛感した時
新人の頃は、これが一番多かったです。
以前もチェックバックの記事を書きましたが、
もう大変に細かくて厳しいチェックバックをもらうたびに、
「私には字幕翻訳なんて無理だ」
とヘコみまくっていました。
現在でも大変なチェックバックをもらうことはありますが、廃業を考えるほどは落ち込みません。
打たれ強くなったというのもあるかもしれませんが(笑)、「今回の担当者は細かい人だぞ~」と前もって心の準備ができるようになったからです。
また、どの翻訳者も厳しいチェックバックは何度かもらったことがあるものです。
「自分だけじゃない」
と萎えた心を奮い立たせて、今までやってきました。
2、忙しすぎる時
睡眠時間を削って働き続けて、頭は痛いし目はかすむ。
「どう納期に間に合わせるか」
ということばかり考えて身も心もボロボロの時は、
「なんでフリーになっちゃったんだろう」
と思うこともあります。
特に、土日も子供と過ごせず独り働いている時は、
「平日みっちり働いて土日しっかり休める事務員とかのほうがいいんじゃない?」
とたまに葛藤します。
2人の子供が生まれてからは、
なるべく同時に複数の作品を抱えないようにしたり、
長尺短納期の作品は請けないようにしたりと、
ある程度余裕のあるスケジュールを心がけるようになりました。
3、仕事がなくて暇な時
これは、2の「忙しい時」よりずっと深刻で、廃業を考える最大の要因になると思います。
特に新人時代は、怒涛の納品を終えて仕事が途切れた1日目は、
「あ~、やっと休める~」
とゆっくり過ごしたり、たまっていた家事を片付けたりして一安心。
しかし2日目には、
「あれ、仕事が来ない。どうしよ~」
と焦り始める。
3日目には、
「このまま仕事が来なかったら、廃業だ。。。
営業しなきゃ!! トライアル受けなきゃ!!」
という感じです。
次の仕事が決まっている状態で暇な時は、読書したり映画を見たり、余裕を持って過ごせるんですけどね。。。
しかし最近では、映像翻訳業界のギャラ相場の下落も相まって、
新人時代のように
「一生この業界で働くぞ!」
という気持ちも薄れつつあります。
この話は4に続きます。
4、ギャラが下がった時または格安の仕事を請けざるを得ない時
上のリンクの記事に書いたとおり、この10年で映像翻訳業界のギャラは下がり続けています。
私は独立してから一度だけ、ギャラの基本料金を上げてもらってことがありますが、最近では上がるどころか、
「今回は予算が少ないので、○円でお願いします」
という話ばかり。。。
これも時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、10分7,000~8,000円はあまりにも作業量に見合わない料金です。
しかし、そのような料金の仕事が当たり前の時代が来るかもしれません(一部ではもうそうなっているかもしれませんが)。
とにかく作業量に見合わないギャラの仕事しか受注できなくなった時には、潔く廃業しようと思っています。
このような考えを持ってからは肩の力が抜けて、3の「暇な時」にもそれほど焦らないようになりました。
5、孤独を感じた時
普段忙しくしている時には孤独など感じる暇はありませんが、少し余裕ができて外でランチする時など、話し相手がいる人はいいな~と思います。
こちらは、仕事中は常にお一人様ランチですからね。。。
友達じゃなくてもいいので、他愛のない日常の話やテレビの話などできる相手がいるのがうらやましく思うことがあります。
ただランチ仲間がいた頃は、
「たまには一人で食べたいな~」
なんて思ったものです。
2つに1つしか手に入らないとしたら、やはり私は一人でいるほうを選ぶと思います。
まとめ
始めるのも辞めるのも自由なフリーランス業。
新人時代は、孤独ゆえに思い詰めてしまうこともありましたが、私自身はフリーランスを10年以上続けるうちに、肩の力が抜けてマイペースに物事を考えられるようになりました。
フリーランスの仕事とうまく付き合っていくか、それとも廃業を選択するか、どちらにしろそれが前向きな理由であれば未来は明るいのではないかと思います。