フリーランス、どうやって仕事を断るか? 映像翻訳者の豆知識
フリーランスの身だと、仕事を断ることが非常に心苦しいものです。
しかし忙しいのに仕事を詰め込んだり、単価の安い仕事を大量に請けていると、クオリティの低下につながりかねません。
新人の頃は仕事を選ぶ余裕などありませんが、ある程度実績を積んだら割の合わない案件は断り、興味のある分野や単価の高い案件を優先していくべきだと思います。
請けたいがスケジュールの都合がつかない時の断り方
今後も付き合っていきたい会社の場合は、自分がその案件に興味があることをアピールした上で、「○日まで手一杯である」ということを伝えるといいと思います。
またぎりぎりで請けられそうな場合には「○日まで納期を延ばすことができたら対応できる」ことを伝えます。
映像翻訳で 長尺の案件の場合は、分納によって納期が伸ばせるか可能性もありますので、問い合わせておくといいでしょう。
例:
このたびは新規案件のご紹介、ありがとうございます。
××の分野には非常に興味があるのですが、残念ながら○日までシリーズものの作業でスケジュールが一杯になっております。
○日まで納期を延ばせるようでしたら対応可能ですので、ご検討いただければと思います。
何卒、よろしくお願いいたします。
報酬が安すぎる時の断り方
一番厄介なのは、ギャラが安すぎてお断りする場合です。
私の場合は、最初のうちはスケジュールを言い訳にして断ります。
しかし、何度断っても察してくれずに格安案件を打診し続けてくる会社もあります。
そのような場合は、縁が切れることも覚悟の上ではっきりと数字を出した方がいいと思います。
その結果、一切打診が来なくなった会社もあれば、条件の合う時だけ声をかけてくれるようになった会社もあります。
例:
このたびは、新規案件のご紹介ありがとうございます。
残念ですが、私のほうではクオリティを維持するため10分○円を下回る案件はお断りしております。
お役に立てず申し訳ございませんが、ご理解いただければと思います。
付き合いを続けたいと思っている会社なら、最後に
「条件の合う案件がありましたら、ぜひ今後ともお声がけいただければと存じます」
などと付け足すといいと思います。
単価の安い案件を請けるか、断るか
特に新人の頃は、単価の安い案件を請けるか断るかでよく悩みました。
自分が挑戦してみたい分野、興味を持てそうな分野の場合は、とりあえず単価が安くても一度請けてみてもいいのでは?と思います。
まずは、「翻訳実績リスト」に書ける作品を増やすことも重要ですからね。
一方、独立して5年以上の脱新人クラスになってくると、最低単価を設定したほうがいいと思います。
以前も記事に書きましたが、格安案件を引き受けることは業界全体の単価を下げることにつながりかねません。
フリーランスあるあるですが、暇な時に飛び込んできた安い案件を請けた直後に、
好条件の面白そうな案件を打診されたりするものですよね~。
先月も、あるシリーズを請けた直後に好きな分野の作品を打診されて、泣く泣くお断りしました。
予知能力があったらいいのにと真剣に思いますが、これも巡り合わせというやつでしょうか。
いいお仕事との出会いを夢見て、日々邁進したいと思います。